年齢を重ねると増えてくる「うねり」や「クセ毛」
スタイリングが決まらない、湿気で広がる、ボリュームが出ない…
そんな悩みを抱える方も多いのではないでしょうか。
35歳前後から始まる髪質の変化は、誰にでも起こり得る自然なプロセスです。
この記事では、美容師の現場目線で「うねり髪の原因」と「日常ケア・スタイリングのコツ」、さらに髪質別におすすめのアイテムをご紹介します。
なぜ髪はうねるのか?主な原因
髪のうねりは、単なる「クセ」だけではなく、いくつかの要因が重なって表れます。
特に大人世代の髪では、加齢や生活習慣の変化が影響しやすく、年齢を重ねるほど「以前ははストレートだったのに…」と感じる方が増えていきます。
加齢による内部構造の変化
髪は主にタンパク質(ケラチン)でできています。
年齢とともにケラチンの結合バランスが崩れ、髪の断面が真円ではなく楕円形や歪な形になりがちです。その結果、まっすぐ伸びず、うねりやすい髪が生えてきます。
毛穴や頭皮環境の変化
加齢や頭皮のコリ、血行不良などで毛穴が歪むと、新しく生えてくる髪の毛自体が曲がってしまいます。
頭皮の弾力不足や毛穴のゆるみも関係し、根元からうねりやクセが目立つようになります。
水分バランスの乱れ
髪は湿度に敏感です。髪内部にある水分が不均一になると、一部だけが膨張し、結果としてねじれや広がりを引き起こします。
特に梅雨や夏はうねりが強く出やすく、冬は乾燥によるパサつきで扱いにくくなることも
ダメージの影響
カラーやパーマ、日常のドライヤーやアイロンの熱ダメージによってキューティクルがはがれると、髪の水分保持力が低下し、うねりが悪化します。
また、ダメージ部分は髪の太さも不均一になり、毛流れが乱れやすくなります。
生活習慣やホルモンバランスの影響
睡眠不足や食生活の乱れ、女性ホルモンの変化も髪質に影響します。特に40代以降はホルモンバランスが変わりやすく、髪のハリやツヤが失われ、うねりが目立つ要因に。
【原因別】うねり髪の対策とプロのコツ
《 日常ケア編 》(全ての髪質に共通)
うねりやクセを抑えるためには、日常のヘアケア習慣が非常に重要です。
髪質やクセの種類に関係なく、基本のケアを押さえるだけで扱いやすさが格段に変わります。
- 根元からしっかり乾かす
クセやうねりを安定させるには、根元の乾かし方が肝心です。
ドライヤーの風を根元に当てながら毛流れを整えると、髪全体のまとまりが良くなります。
毛先だけを乾かすと広がりやすくなるため、全体を均一に乾かすことを意識しましょう。 - ブラッシングで方向を整える
髪が濡れている状態で軽くブラッシングし、毛流れを作ってから乾かすと、クセが落ち着きやすくなります。
硬すぎず柔らかすぎないブラシを使い、髪を引っ張らずに毛先まで滑らせるのがコツです。 - 生活習慣も意識する
睡眠不足や偏った食生活、ストレスは髪のコンディションに影響します。
頭皮の血行を促す軽いマッサージやバランスの良い食事も、髪の水分・タンパク質バランスを整えるサポートになります。 - シャンプー・トリートメントの選び方
うねりが気になる髪には、補修成分や保湿成分が配合されたシャンプー・トリートメントがおすすめです。
ダメージや乾燥を抑えるだけでなく、キューティクルを整える効果も期待できます。
日常の上質ケアに
《 スタイリング編 》くせ・うねり 髪質別のプロアドバイス
▸ 軟毛・細毛でベタつきやすい方
髪が柔らかく、根元がペタッとしてしまい、スタイリングしてもボリュームが出にくい。
湿度や油分でベタつきやすく、髪全体が重たく見えてしまうこともあります。
対策:
軽やかさをキープしつつ、クセを抑えながら根元の立ち上げを意識。
髪を引っ張らずにふんわり乾かすことがポイントです。
おすすめアイテム
使い方のコツ:
シャンプー後のタオルドライ髪にスプレーし、手で軽くなじませます。
根元から毛先まで風を通すようにドライヤーで乾かすと、ふんわり軽やかでサラサラな仕上がりに。
▸ 乾燥・パサつきが強い方
乾燥や静電気で毛先が広がりやすく、ゴワつきや指通りの悪さが気になる髪質です。
湿気による膨張や摩擦でスタイリングが決まりにくいこともあります。
対策:
髪の内部と外側の両方に水分と油分を補い、毛先まで潤いを与えること。
ドライヤーの熱から髪を守る保護効果も重要です。
おすすめアイテム
使い方のコツ:
手のひらに適量を取り、毛先中心に髪全体になじませます。
ドライヤー前に塗布することで髪ドライヤーの熱から髪を守り、指通りの良いしっとり感が持続します。
▸ ハリ・コシ不足でボリュームが気になる方
髪のボリュームが出にくく、分け目が目立つ。
根元が立ち上がらず、スタイリングしてもペタンとしやすい髪質です。
対策:
髪にハリを与え、根元からふんわり立ち上げることで自然なボリューム感を作る。
スタイリングの際は髪の方向を意識しながらブローすることがポイントです。
おすすめアイテム
使い方のコツ:
髪が濡れている状態(ウエット)でも乾いた状態(ドライ)でも使用可能。
スプレー後にコーミングで均一になじませてからドライヤーで乾かします。
使い続けることで、毛髪のリペア効果がさらに高まります。
髪の扱いやすさやまとまりは、使うアイテムやケア方法によって少しずつ変わっていきます。
大切なのは、自分の髪質や状態に合ったアイテムを選び、無理なく続けることです。
日々のスタイリングやケアで「手触りが変わった」「まとまりやすくなった」と感じることが増えたら、それが自分に合ったサイン。
ポイントは、「続けながら微調整」
髪の状態を確認しながら、アイテムや量を調整していくことで、自然にまとまりやすい髪を保つことができます。